子供達から学ぶこと

先日の幼児コースでの出来事・・・

先月より、親子コースから、幼児コースに変わった3歳の男の子がいるのですが、今までは、親子コースに在籍していましたので、プールにはお母さんと一緒に入って練習していましたが、幼児コースにコースが変わったため、ついにお母さんと離れてプールに入ることに・・・

練習前、最初はわけがわからず、静かに座っていましたが、練習前の体操が始まったとたん、我に返って大泣き!!!コーチ の懸命な努力も空しく、泣きやむ気配なし・・・そして、泣きやまないまま、練習時間途中のトイレ休憩になりましたが、その時・・・同じクラスの、4~5歳の子どもが2人が、その泣いている子と手をつないでトイレに行ってくれたのです。
もちろん、コーチは「手をつないであげて」とは言っていません。子ども達、自らで手をつないでくれたのです。それから、その男の子は少しずつ泣きやみ、練習後半は、「ぼく出来る!」と自分から練習ができるようになりました。

スイミングスクールは、水泳を上手になってもらう場所です。我々コーチは、高い月会費をいただいているプロである以上、お子様を上達させるのが仕事です。しかし、このような光景を目の当たりにすると、上達ももちろん大切なことですが、「水泳を通じて・・」ということが、いかに大切か、また我々大人が、こどもに勉強させられている、つまりコーチが子どもから教えられる点がたくさんあるということを、あらためて痛感します。自分は大人として、またコーチとして、弱い人間に対して、手を差し伸べてあげられる人生を送っているのかと・・・

また最近は、「子どもが嫌がっているので・・」と言って、すぐにお稽古ごとをやめさせてしまう親が多いと聞きます。この3歳の男の子は、その後数回は、泣いてプールに来ましたが、お母さんがあきらめずにプールに連れてきてくれたおかげで、今では笑顔で練習 しています。お母さんの努力に対して、コーチとして頭が上がりません。本当に感謝です。
子どもと親の姿勢から、学ぶべき点がたくさんあることを痛感する1カ月でした。

水泳主任 小山延宏